高橋源一郎『日本文学盛衰史』 読書しつつ感想しつつ(5) -----ネタバレあり。注意。 若い詩人たちの肖像・続 伊良子・・・・? 迷わず『新修国語総覧』を見る。
「新体詩」から「浪漫詩」に矢印が引かれている。
しかも、またもや全員が一発変換。
少し時代を下るとどうなんだろう、 武者小路実篤 出た!おめでたい。 芥川龍之介 谷崎潤一郎 川端康成 まあ当然だろう。 坂口安吾 太宰治 ちょっとマイナーになると 小林多喜二 梶井基次郎 久米正雄 性と名の続きぐあいでAIが判断するようだ。 ためしに 高橋源一郎 これは私が学習させたせいだ。 ◆
伊良子清白の人物像が鮮やかで、
しかし、この鉱石ラジオを詩人の魂に喩えつつ
清白は、詩人とはその鉱石のようなものではないかと思っていた。それは結局のところ単なる石ころにすぎない。宝石の輝きを持たず、鉄や銅のように鋳造されて人々の役に立つわけでもない。その石の働きはただ目に見えぬ電波に反応するだけで、しかもそれはほとんど聞き取れぬほどの微弱な反応である。だが、その鉱石だけが音を拾うのだ。清白は、詩人たちの話を聞くより、彼らの書く詩を読むより、鉱石の拾う音に耳をかたむける方を好んだ。やがて、鉱石は雑音しか受信しなくなり、 清白の死とともに、土に還る。 ◆
詩人とは何か。
詩人は破格の存在でなければならなかった。この世界に在ることの苦しみや哀しみを他のどんな種類の人間より鋭く感じなければならなかった。世俗的な出来事からは超越して、溢れる感受性を持たねばならなかった。そして、詩人は一目で詩人とわかるようでなければならなかった。そういう中で、 「他のほとんどの詩人たちとは違い、 詩についての無益な議論や 酒を飲んでの大言壮語を好まなかった」伊良子清白は、 むしろ「エセ詩人」呼ばわりされねばならなかった。 その清白の詩は、昭和四年にもなって、日夏耿之介に評価されたという。
「清白の詩的位相は極めて不遇であつた。なぜなら、清白の詩は、青春熱狂の対象となつたわけではなく、詩的好誼を持ちやすいものでもなかつたからである。、その詩の特徴は、次なる時代に深い影響を与える風の預言者的体質と超時代的意義にある」そして高橋源一郎は、こう書く。
島崎藤村は近代文学が産んだ最大の詩人だったが、伊良子清白は現代文学は産んだ最初の詩人だった。改めて問おう。
1詩人とはいったい何ですか。 本文に則して、それぞれ五十字程度でまとめなさい。(宿題) ◆
それにしても、 ◆
さて、章の最後に、時代は少し戻る。
夜雨は、伊良子清白とは全然違うタイプの詩人だ。
その夜雨に、電子メールが届いた。 ◆ 感想してるのか、要約してるのか、ちょっとわからなくなりつつ。
2001.6.7 |