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高橋源一郎『日本文学盛衰史』
読書しつつ感想しつつ(18)
 普請中
-----ネタバレあり。注意。

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我々はどこから来たのか、そして、どこへ行くのか 3


ピンが田山花袋の前に、
庵野秀明と仕事した話。
『ラブ&ポップ』のメイキング撮影だ。
しかしピンは、この映画と調子がまったく合わない。
渋谷に女の子、という設定なのに、
いっこうに「○ま×こ」が始まらないからだ。

しばらくして、今度は
庵野秀明がピンの現場を訪れる。

「AVを撮りたい」
「あんた、おれの千倍も金やスタッフを持ってて、なにふざけてんの。だから、おれが現場でいっただろ。○ま×こを撮る。それで終り。さあ、わかったら、どいて。これから撮影に行くんだから」

しかし、庵野秀明はこう言う。

「でも、○ま×こを撮るっていうのがいちばん難しいと思うよ」

この章に「○ま×こ」は、
数えると20回も出てきた。

でもほんとうは、
ただ一回でも口に出したり書いたりするのは、
ちょっとした勇気がいる。

露骨はたしかに難しい。


Junky
2001.6.13


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