高橋源一郎『日本文学盛衰史』 読書しつつ感想しつつ(17) -----ネタバレあり。注意。 我々はどこから来たのか、そして、どこへ行くのか 2 『日本文学盛衰史』が新刊され、 「露骨なる描写」がどうのこうのと、 私が感想している最中。 「あのこと」が起こった。
新刊ではなく震撼という語句を、
さっきテレビをつけたら、 ◆
『破戒』一色に塗りこめられた時代にあって、花袋は、藤村の作品が巧妙に避けているものを見つけていた。花袋の考えでは、それは「性」であった。それは明治文学が発見した「内面」のもう一つの隠れ家であった。藤村は「内面」をついに書き表すことに成功したが、もう一つ、そこに部屋があることに気づいていなかった。その花袋が、 現代からすべりこんできたAVに、驚愕する。 人前で本当の性交が行われること。 本当のGが行われること。 どこにでもいるふつうの、 責任能力の問える女であること。 花袋は心の底から「震撼」させられる。
この心情は、 ◆
AV制作を決意した花袋の前に、
しかしいざ撮影現場で、
「きみ悪ふざけにも程がある。確かに、わたしは悩める作家のシーンを撮るようにいったが、こんな馬鹿馬鹿しいことをやれとはいってない」しかし、ピンは逆に『蒲団』を厳しく批評する。
「わたしが飾ったり、作ったりしているというのかね」◆
では、2001年、 やはり「あのこと」だろうか。
「あのこと」を露骨に描写したゲームが
そんなニュースを聞くと、
高橋源一郎が書ききった ◆
我々はどこから来たのか。
2001.6.13 |