表現は瞬間に在り

そうだとしたら、つまり、言いたいことなんて本当ははっきりしてないし伝わるかどうかもおぼつかないのだとしたら、僕らはどういうつもりで書いたり描いたりすればいいのか。
たとえばこういうのはどうでしょう。
ある文章や絵が出来たとして、それは、あらかじめ自分の中にあったものをそのまま引っぱり出したとは考えず、かいたときに紙の上やモニター画面上で初めて生まれたと考えるのです。表現以前に表現なしということです。
さらに、文章や絵が出来れば、それは誰かが見たり読んだりしてなにかを感じたり感じなかったりしますね。でも、そこで表現の目的が達成されたり真価が問われるとは考えないことです。出来た文章や絵そのものと、それが伝えてしまうなにかとは別物だということにするのです。表現以後に表現なし、ということになりますかね。