哲学大陸・恋愛ルート

シュレディンガーの愛

「私は彼(または彼女)のことが好きか嫌いか」という問いの答えが「好きともいえるし嫌いともいえるぼんやりした状態で漂っていて、私が口を開いた瞬間初めてどちらか一方に決定する」としたらどうでしょう。まるで不確定性原理です。でも、そういうことにしましょうよ!
僕たちは肉体で生きているから、けっこうそういうことが多いのです。受験志望校が東大か福大か決められなかったけど、進路相談の日につい「東大!」と見えを切ってしまったので、そのまま東大を受験したとか。「愛してる? 愛してるなら愛してると言って!」とかせがまれ、まいいか減るもんじゃないからと「愛してるよ」とささやいてしまったら、そういうことと彼女は信じ、そういう事態に僕も身を置くことにして、今では平気で何度でも「愛してる」と言える、というようなこともあるでしょう。


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