哲学大陸・言葉ルート

涌井 史明氏の試論5

動物の行為Xもまた「思考」

 こうして、少なくとも人類全体が思考し、その営みが「思考」という言葉の下に包括され得ることとなりました。さて、ここか らは飛躍です。このような飛躍は、厳密さを欠いているので、許されないことなのかも知れません。しかし、ここではあえて厳密 さを無視して飛躍を試みます。理由は後述します。ここで行う飛躍とは、人類全体に拡張された「思考」を動物にまで拡張するこ とです。つまり、人類が様々な言語によって行う或る行為(これを仮に行為Xとします)が、その行為Xを大きく左右する言語の 相違にも関わらず、何らかの共通性を持ち、「思考」という言葉の下に包括され得る行為であり、その行為Xを人間以外の動物が 行っているのであれば、人間以外の動物の行っている行為Xも「思考」という言葉の下に包括されるべきである、ということです 。少々回りくどい表現になってしまいましたが、要は、人間以外の動物にも「思考」という言葉を適用しても問題あるまい、とい うことです。もちろん、何らかの条件・制限を設けた上でのことですが。(つづく)


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涌井 史明氏のメールアドレス=wackey@big.or.jp

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