日本あだると盛衰史
(98年3月)

「日本文学盛衰史」が「あ・だ・る・と」になってしまいました。 群像4月号をごらんください。

この小説は、石川啄木や国木田独歩や二葉亭四迷や夏目漱石や芥川龍之介が ごっちゃになって出てきますが、 ついに同時代の自分の小説の登場人物まで出てくるとは。

あるいは、コロンブスの卵とも言える展開でしょうか。






ポルノ「蒲団」
(98年5月)

群像の「日本文学盛衰史」、今回は、 アダルトビデオ撮影班が、 田山花袋の「蒲団」をポルノとして読み解く、 みたいな趣向でした。

この連載、第一回を読んだせいで、とりあえず読み続けているのですが、 みなさん、読んでます?






文芸雑誌に漱石作品?
(00年5月)

「群像」は、関川&谷口さんのラストにも出てくる列車の中で、漱石作品の引用がちりばめられている。その引用のされかたは、渋かったり、ばちっと切れていたりしなく、まったりしていて、輪郭がぼやけていて、これが「漱石作品」の中なのか、高橋さんの作品の中なのか、ぼんやりしていて、列車に揺られながら、心地よかった。=以上、**さんの書き込み=

「列車に揺られながら、心地よかった。」とあります。これはすでにして小説のような感想ですね。あるいは旅の感想のようですね。今月の「日本文学盛衰史」(群像)を読むと、たしかにこんなふうに書いてみたくなります。この作品、いよいよ終焉の近づいてきたムードが、(文章に出ているのか、情報として出ているのか、はっきりしませんが)、私には強く感じられ、これまでになく引き込まれました。高橋源一郎氏は昔、たとえば漱石の小説を今のわれわれは文芸雑誌の最新号に載ったりはけっしてしないものとして読んでいる、そのことが奇妙だ、とかいう趣旨のことを書いていましたが、それを思い出しました。というか「日本文学盛衰史」全体のモチーフみたいなものには、きっとそれがあるんじゃないでしょうか。


Junky
1999.

人工小説王INDEX
迷宮旅行社・目次
著作=junky@迷宮旅行社http://www.tk1.speed.co.jp/junky/mayq.html