原発ジプシーからの手紙(4)

体に良い「原発」

原発で働いている人たちは、とても健康です。その理由として、私なりに下記の通り分析しています。
  1. 作業現場の「放射線管理区域」では飲食、喫煙は禁止されている。

  2. 同区域では、放射能汚染の拡大防止のため清掃が行き届いている。そのため呼吸器系疾患の元となるダストが極めて少ない。

  3. 高汚染区域では、汚染ダスト吸入防止のためマスクを付けなければならない。このマスクにより、呼吸抵抗が生じ、呼吸器系、循環器系機能が鍛えられる。

  4. 同じく高汚染区域では、衣服よりの汚染拡大(クロスコンタミという)防止のため、使い捨てのビニールの服を着て作業を行う。これがサウナスーツのような効果を発揮する。

  5. 作業時間管理が徹底しているため、過労働が防げる。また、被爆管理のため、作業を始めるまでの手続きと作業後の後片付けに大変な時間を費やすし、さらに実労働時間は少なくなる。

  6. 施設の中には、小部屋が沢山あり(汚染拡大防止と不要な被爆防止のため構造上そうなっている)隠れる場所には事欠かない。従って、現場監督の目を盗んでサボれて楽である。

  7. 遮蔽体(鉛ブロック、鉛シート等)をアレイ代わりにして遊べる。

  8. 定検中は原子炉が停止しているので、事故の心配が無く、精神安定上よろしい。
コメントとして補足します
  1. 「放射線管理区域」に入る手前には、必ず休憩室がが有り、そこでタバコをまとめ吸いした場合は効果が低減します。現場で水が飲めないこと、トイレがないことも、時として非常につらいものがあります。

  2. 原発で働く人の鼻は非常にきれいです。花粉症も比較的少ないものと予想されます。

  3. 呼吸器または、心臓に疾患のある方は要注意です。

  4. これも健康に自信の無い方にはおすすめできません。

  5. トイレへ行くといって、「放射線管理区域」出たり入ったりすれば、さらに効果的です。

  6. 小部屋の中には、放射線の強いところもあり、注意が必要です。不要な被爆の恐れがありますので不慣れな人は止めた方が無難です。(親切な電力さんは部屋の入り口に注意書きを表示してくれてたりします)

  7. 他に、私の場合は秘密の小部屋で、腹筋運動、腕立て伏せ配管を利用した懸垂などを組み入れていました。

  8. 一つのサイトで一基の原発しかないところはありませんので、たとえ定検で一基が停止していても隣の一基は運転中の場合がほとんどです。とりあえず事故発生の確率については、確実に何分の一かは減っているわけでして
・・・・・以上、第一回報告をおわります  

1996年11月23日/信田政義

手紙一覧/ 前の手紙へ/ 次の手紙へ


ファイル一覧
迷宮旅行社・目次