福田和也VS高源小説



福田和也、ちかごろよく出る名前ですね。 「パンク右翼」かどうかはともかく、 僕と似た世代で、かつ、常に強気発言をする人として、 気になります。 島田雅彦との対談本をちょっと読んだりしています。

*下の文章、初めて読みました。 この福田和也にしても「日本文学盛衰史」をこのようにしか批評できない事実は、 高源小説がまだまだ凄い力を秘めていることの証拠ではないでしょうか。

つまり、 この小説に私は少なくともネガティブではありせんよ、とだけ示す、 あるいは、 この小説に自分はネガティブなんだけども、という素振りをしつつ、実は誉める、 といった批評しかできない、 あるいは、 自動的にそういう批評をさせてしまう、 それが高源小説の凄さだと思うのです。

注 「*下の文章」とあるのは、福田和也がこのように言っていたという掲示板での情報です。

(以下引用)
そのような「なんでこんな物載せたの?」の類のなかでここ暫く首位を保ってきたの が、高橋源一郎氏の小説だった。しかし高橋氏の場合、あまりにもダメが続くもので 編集者も言い訳に慣れてきて、このごろは「校了直前に入稿したので読まずに載せ てしまった」「天龍源一郎の原稿だと勘違いをした」「目次に読むなと書いておい た」 などと云って切り抜けるようになってしまい退屈していたところ、不敵にも『群像』 が 高橋氏の連載をはじめた。連載中の作品をあげつらうのはルール違反のようなので 控えるが、第一回を見る限りでは予想にたがわぬ水準である。おそらく『群像』編集 部は、高橋作品掲載にかかわる言い訳の新機軸を展開するために敢えてこの連載 をはじめたのだろうが、どのような弁明を展開してくれるのか、まさしく興奮を禁じ え ない。
(引用終わり)


Junky
1998.5

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