高橋源一郎と化学反応
「**さん」という毒が入り込み、化学反応が激しく起こっている試験管の溶液。 そこへ「しつこいよ、きみ」という薬というか、呪文というか言葉によって、 さっと沈殿、つまり解毒することができる。 だれの言動も、そういう解毒物質が存在するはずだ。 それを見つけることが評論かもしれない。 あるいは、昔高橋源一郎氏が、僕の小説がかる〜く真似られてしまうのは、それは僕の小 説に欠陥があるからだ、というようなことをいっていたが、 同じ事かも知れない。つまりものまねとは、そのひとの化学反応が激しく起こっておおすごいと思われている、 ある人物の、構造を見極め、そのひとのエッセンス物質が何であるかを見極め、それを解 毒してしまう行為なのかも知れない。だから、モノマネはほっとして笑えるのである。
その人の行動、話、論理の構造をさあっと透けて見させる解毒剤、を探すこと。