昭和天皇の御時56年目つまり1981年も福井は大雪。今度は「56豪雪」と呼ばれました。
僕はそのころ東京にいましたが、正月で帰省した普通列車が北陸本線敦賀駅で立ち往生。まる一日以上その列車の中で過ごしました。ようやく出発した列車の窓から見えたのは、線路脇にどこまでも連なる雪、雪、雪の壁。
一昼夜を明かした客車ではパンと牛乳が配られました。周囲の人たちとわいわいトランプをしたりして、けっこう楽しかったおぼえがあります。しかし福井へ帰り着いた後、ニュースでは敦賀駅の普通列車よりも福井駅で同時に立ち往生していた特急列車のことばかり語られ、しかも特急列車の乗客は僕たち普通列車の乗客より停車時間が短かったにもかかわらず福井市内に宿が与えられたと聞いて、ちょいムカつきました。
今思い出しましたが、たしかそのころ福井県とりわけ敦賀市からは豪雪に並ぶ大きな全国ニュースがあったはずです。それは原子力発電所からの放射能漏れ。敦賀の魚は誰も食べないとか言われました。普段知名度最低レベルの福井が、そのころは東京でも「大雪の」そして「原発の」として、ちっとは知られたもんです。あれっ、今年も似たような感じかな。

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