「仮想時空間と現実時空間の間」と実際の間
■「ワールドワイドネットワークアート'96・仮想時空間と現実時空間の間」という、なんか大げさに聞こえますが実際かなり大げさなイベントが3月20日から始まりました。なんと僕も参加しているのです。
■原宿のラフォーレミュージアム飯倉をメイン会場に国内外のいくつかのステーションがISDNで結ばれています。そして、いわゆるテレビ電話のシステムを使って音や画像の交信や共同制作を試みるものです。主催は日本ネットワーク芸術研究会という、これまたおおげさな名前の団体。もちろんインターネットも絡みます。ただしどう絡んでいるのかは、僕に詳しい説明を求めないで下さい。
■さて僕は柴田明彦氏が構築した福井ステーション(写真)に愛用のシンセサイザーを持ち込んで加わりました。
■初日の20日は、奇妙なコラボレーションで幕が開きました。線と点だけで出来た一枚の図が示され、その上をポインタが15分かけて移動します。参加者はそれを自由に解釈し、シンセなどの楽器をそれぞれ同時に鳴らすというものでした。そのあとは各自が音や映像あるいは話を相互に送信しました。
■この催し、実は福井市出身の国際的ビデオアート作家にして武蔵野美術大学教授の山本圭吾氏が黒幕。福井ステーションは福井市大村町にある山本氏の自宅(写真)横のアトリエです。
■それにしても、大村町はど田舎です。ビデオアートというジャンルにとどまらずデジタルネットワークおよび人の行為の構造の奥深くを洞察分析して最先端表現に挑む、かの山本教授が、なぜかときどき正反対の田舎素朴美術教師に見えたりするのには、こういうわけがあったのですね。
■余計な話が長くなりました。
■この話、全体としてなんだかよく分からない方は、このイベントについてのページがありますので、参照してください(下)。でも、やっぱりよく分からないと思います。じゃ思い切って会場に行ってみるとか。やっぱり、よく分からないのではないかと思います。
■そうそう、20日に曲がりなりにもISDNで送信した僕の自作曲のMIMDIデータ(下)を置いておきます。ベース、ビブラフォン、ピアノの音などで鳴らしましたが、そこはほら、インタラクティブなコラボレーションの、ワールドワイドの、タイムアンドスペースインバーチャルリアリティの、大村町経由ですから、皆さん勝手に楽器を割り当ててみてください。
イベントについてちゃんとした情報
MIDIデータ
Junky
1996.3.20
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