A議員の容疑が事実であるとしたら、それはかなりカッコワルイことです。だけど、敦賀市議会が「社会的要請」だの「言語を絶する」だのといきりたつほどのものでしょうか?
こんなことをつぶやくのは、べつに、大コケした山口敏夫代議士の私腹こやしに対し首都の金権力制度がせこせこと帳尻あわせをしていたことが発覚しても辞職勧告の声など起こってこないことを引き合いに出したいからではありません。
また「非行」などという文句に、全国にいらっしゃる「青少年健全育成」方面の人々が自らの欲望の醜さの代償に行っていると解釈すると心理学的にずいぶん落ちつく、わいせつ図画取り締まり行為・ラブホテル建設規制・高校生の夜間単独外出禁止令(実際に福井県には条例が存在する)などの得意技に、とても似ていると感じるからでもありません。
なにより当の敦賀市議会がちょっと前、僕の感覚ではそれこそ「政治倫理」の点でも「社会的要請」の点でも実にひどいことをしたにも関わらず、辞職勧告という尻尾切りすらせずにやりすごしてきたからです。こんなことがありました。
今、いわゆる在日韓国・朝鮮人の参政権回復が法廷を含めて議論されています。全国の市町村議会でも参政権を求める陳情が相次いで採択されていますが、その陳情を敦賀市議会は94年12月全国で初めていったん不採択としました。まあそれはそれとして、問題はその陳情の審議中ある議員が「納税しているから参政権をというのは、日本人でいうとやんちゃもんの言うことだ」「わが市の場合、あちらの人が(帰化して)市議にでたケースもある」などと発言、マスコミが報道したためあわてた取り消すという出来事があったのです。参政権回復を支援するグループなどが経緯を明らかにするよう求めましたが、敦賀市議会は審議の内容を吟味することもなく、参政権問題の本質を問うこともなく現在にいたっています。もちろんその発言をした議員に辞職勧告などありませんでした。(辞職勧告は敦賀市議会では今度が初めてです。)
ま、そんなわけで敦賀市議会は「議員たるものが裏ビデオを販売するとはなにごとぞ、参政権問題を理解せず市民に審議を公開しないことよりもっと悪い!」と認識していることになる。それを言っておきたいのです。