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昨夜のニュース23は「異論・反論・オブジェクション」の最終回をお送りしましたけれども、このコーナーは、テレビの受け手が時には送り手になり、それに私たちが応えていくための試みとして成果を上げたなどと、大きなことを私は申し上げてしまいましたけれども、実は市井の人々の本心など少しも反映されていなかったのではないかと、きょうになって大いに反省していますけれども、もちろん寺山修司の企画を流用したことが悪いというのではありませんけれども、画面のサイズ、つなぎ方、そして、音楽の使い方など情感をかきたてる手法は、自分でいうのもおかしいですけれども、秀逸でしたけれども、かきたてられた情感が、まったくと言っていいほどテレビの受け手のものではなく、徹頭徹尾ニュースの作り手、送り手のもの、つまり私どもの狙いを完璧になぞっただけだったという点が、致命的な失敗でしたけれども、
それよりなにより、最後に私自身が「筑紫さんはいま幸せですか」と渡辺アナウンサーに尋ねられて「ええ、まあいちおう」とかお茶を濁してしまったことが、なにより反省しなければいけないと思いますけれども、なぜなら私はあの時即座にこう答えるべきでしたけれども、「もちろん幸せです。なにより収入がテレビをごらんのみなさんよりは高いし、名声も高いし、こんな変なページを作る輩に比べたら、遥かに高い志の仕事を続けていられるし」と、けれども、
ニュース23第二部は、政治でなく文化を、公人の建て前でなく私人の本音をこそ伝えようと努力していたのでありますけれども、けっきょくのところ、テレビを見ている私人の本音をほじくり出す前に、私ども自身が、どうしてもうすこし、ホントにホントの気持ちを出さなかったのだろうかと、かえすがえすも残念でなりませんけれども、