葬儀の費用

祖母が12日に亡くなりました。
葬儀屋さんとお坊さんを呼びました。
お通夜と葬式でたくさんのお金が動きました。
もちろん多くの皆さんが物心両面で支えて下さいました。
ここではお寺へ支払ったお金について書きます。
枕経御布施(1万円)
お寺は檀家から家族が亡くなった知らせを受けると、さっそく住職が駆けつけ死者の枕元でお経を上げる。そのお礼金。
戒名御礼(1万円)
野布施(3万円)
いわゆる葬式のお布施。どうして野というのかは知らない。
役僧野布施(6万円)
役僧とは、住職と一緒に葬儀に出るお坊さんのこと。住職がほかのお寺から招く。今回は3人だったので一人2万円の計算。これをアルバイトと呼ぶ人もいる。
道具借用料(5千円)
具体的にどの道具を指すのかはわからないが、たぶん木魚や鐘のことだろう。
御灯明代(5千円)
ろうそく代。
御車代(5千円)
住職はお迎えに上がりお送りするのが本来ということだが、最近は自家車を使う。そこでこの支払いが発生する。
賄料(2万円)
賄賂ではありません。僧には食事を出してもてなすのが基本だが、それなしで帰る場合に渡す。4人分と解釈できる。
ご家族様(1万円)
もちろん僕のご家族様ではなく、お寺のご家族様へのお金である。いろいろお世話をしてもらうお礼ということらしい。
七日詣御布施(1万円)
これを渡すことで初七日にお経を上げに家へきてくださいというメッセージになるようだ。
永代経(20万円)
家主の代が変わり時代が移っても、その死者に対して永遠にお経をあげることやそのお経自体を永代経と呼ぶらしい。それを保証するのがこのお金である。四十九日、一周忌、七回忌などの節目にはもちろんまた僧を呼びお経をあげてもらうが、それがすべてすんだからといって死者を放ったらかしていいわけではない。そういう理屈が前提にあるのだろう。
さて全般に高いぞと思う人もあろうが、お寺やお布施についてよく知っている人ならこれがたいして高額でないことに気づくと思う。とくに差が出るのは最後の永代経である。最低でも15万円とか、多い場合は50万円とかそれ以上になるとも聞く。そこにその家の信仰心というものが、あるいはその家の格というものが出るのである。自分の信仰心についてここで明かすつもりはないが、自分の家の格については低いという認識を持っていることを伝えておく。格というのはたぶん金持ちかどうか、あるいはどういう職業の家かということなどであろう。本家か分家かも関係あろう。また葬式にどのくらいの人が来たか、つまりはどくらい香典が集まったか(住職もよく見ているはずだ)も関係あるのかもしれない。そういう点を考えると、ここに書いた額はまあ恥ずかしくない程度のラインなのだと想像している。

なお今回のお通夜と葬式は、近所の別のお寺を会場にしてそこの住職にもお経をよんでもらったため、以下の支払いもあった。

お寺借用料(12万円)
通夜御布施(1万円)
お通夜は会場のお寺の住職だけがお経を読んだ。
葬儀御布施(2万円)
上に書いた住職1人役僧3人と合わせ、計5人の僧が弔いをしたわけである。
道具借用料(5千円)
こちらはこのお寺の備品を使った分。
賄料(5千円)
お寺に渡ったお金は、合わせて52万5千円となりました。
なにか批判したくてこんなことを書くのではありません。実状を隠さないことになにがしかの力を期待するのです。ここにおいてはそれが僕にとって祖母への弔いだと考えました。
Junky
1996.1.16

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