午前4時。
さっきコンビニを出たところで、早朝野球らしいユニフォーム姿とすれ違った。
そういえば、少しだけ空が白んでいる。

きのう、ええっと、そう、きのうでいいのだ。
昨日は職安からの呼び出しで朝9時に出向かねばならなかった。
無職になって以来だいたい午後2時起きになった身にしてみれば、朝9時なんて普通で言うところの明け方より早いだろう。猛烈に眠い。しかし、通勤する車の群に加わるのも、久しぶりだと新鮮で気分がいい。職安が仕事への復帰以前に社会生活への復帰を手助けをしてくれるとは思わなかった。
しかしそれが済むと家に帰りまた布団にもぐった。目覚めたのは結局午後5時。すぐに夕飯(朝飯?)を食べに行く。

こうなると、夜ふかしとか、昼夜完全逆転とか、旧ソ連の空港状態(なんでも、エリアが広いせいか24時間体制で離発着があり機内では夜中でも食事のために起こされるらしい。)とかいってるだけではすまないものがある。
夜は寝るものだとか、一日三回食事するとか、 そういう発想が消える。眠りたい時に眠り、食べたい時に食べる。 「朝飯抜き」とか「昼寝」とかの言葉がピンとこない。
朝開きそびれると夕方になるまで読めない新聞(朝刊)と少し縁遠くなり、テレビもあまりつけなくなった。思えばこれまでテレビで時間を知り時には何曜日かも教えてもらっていた。まあ、ニュースなんてものは、日によって大きな事件が重なることもあれば何もないこともあるわけで、毎日欠かさず見る必要もないのだが。

もしかして、日を区切ること自体が意味をなさなくなってきたのではなかろうか?
そこまで考えたけれど、日付が変わるということを完全に意識しないわけではない。というのも、朝カーテンの向こうが明るくなる時の「あ、またきょうが始まるなあ」という気持ちだけは、あい変わらず残っているからだ。 ただそれが社会的な記憶によるのか、あるいは生理的な感覚なのかは分からない。
と、そんなこと言ってるうちに、またホントに朝がくるのである。

みなさん、おはよう!


Junky
1996.5.?

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