マグリットの「大家族」という絵を、宇都宮市が600万ドル(6億2千万円)で買った。朝日新聞によると、これまでオークションなどで取引されたマグリットの絵の最高額の2倍に当たるそうで「世界の笑いものになる」と心配する声もある。
6億円とはたしかに高い金額だ。しかし、600万ドルなら非常識で120万ドルなら正解、というのも、どうもよくわからない。120万ドルだって死ぬほど高いよ。まあ市側が「安いくらいだ」というんだから、それは無知とも言えるが、感覚の違いとも言えるわけで。
Magritte Home Pageでマグリットの「大家族」が見られます。
上の絵はそのページからマグリットの別の絵を僕がコピーし文字を書き加えたものです。
来春オープンの宇都宮美術館の目玉作品ということだ。市の評価委員会で「高すぎるのでは?」との声が上がったのに対し、市側は愛知県のある美術館が別のマグリットの絵を4億円で買った話などを出して説明した。その時の絵のタイトルが「無謀な企て」というのを、笑ってしまうのは僕だけ?
いずれにせよ「ゴッホのひまわりに匹敵する名作。むしろ安いくらいだ」という市側。「大家族はせいぜい120万ドルだ。600万ドルなんて非常識」というニューヨークのある画商のコメントなどが27日付けの新聞に載っていた。
それより見逃してはいけないと思うのは、ここで論じられていることがどれも「大家族」の資産的価値に過ぎないという点。だからこんな議論「ぜんぶばかばかしいぜ!」と言ってしまっていいのだ。
僕はマグリットの絵がとても好きだ。Yahooで関連ページを探し出し、上のようにこっそり絵を持ってきてデスクトップに貼ったりもしている。僕がもし大富豪なら6億を惜しまない可能性もある(かな?)。
また、このページのタイトルがマグリットの「これはパイプではない」から連想したことは、賢明な読者ならすでにお気づきでしょう。