駐禁・新宿・住専

うちのそばの道路には近所の住人が自家用車を列をなして停めている。その一台は僕の所有する乗用車だ。その車すべてに「警告・駐車違反」のシールが貼られていたのはけさのこと。(このシール、時間がたつとはがしにくいのだ、また。)

「路上駐車は他人に迷惑であり、僕はただちに駐車場を手に入れるべし」ということに異論はない。また駐車禁止で捕まらない車があるのに捕まった車だけが反則金を払うシステムは変だとよく言われるが、まあ、それが路上駐車をしてもいい理由にはならないので、捕まったら不幸だとあきらめて金を払うくらいの遵法精神は僕にもある

それより僕がきょう思ったのは「新宿駅に住んでいて排除された人の気持ちが、初めて、ちょっとだけ、分かった」ということ。(おれの気持ちなどてめえに分かってたまるか!という論理も世間にはあるようだが、まあそれはおいておいておいておいておいておいておいておいて、、、、)

路上駐車と路上生活の似ている点

そしてもうひとつ大事な観点。
さて。ここで住専の登場だ。つまり、こんなことなら僕や新宿の人たちも、住専からどーんと金を借りて馬鹿でかい土地を買い、そこに住んでそこに車を停めて、そうしてから借金を堂々と踏み倒せばよかったなあと思うのである。
勝手、気まま、甘えた論だとは思う。
しかし、これだけは忘れないでほしい。住専に不良債権を作った不動産屋が豪邸に住むかたわらで、僕や新宿の人が家や土地を所有していない原因は、なにも僕や新宿の人がローン嫌いだったり一戸建てを手に入れようとする努力が不足しているだけではないということを。

Junky
1996.2.7

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